借地権割合とは何だろう

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例えば、地主さんから借りた土地に家を建てて住んでいたのに、借り手である父親が亡くなってしまった。突然のことで動揺しながらも、調べてみると借地権という権利があり、立派な財産であることが分かります。しかもこの財産は相続の対象であり、売ることも出来るというなら、ではどうやってその財産の価値を知るか?またここで必ず出てくる言葉、借地権割合とは一体何か?という疑問を一つ一つ見ていきたいと思います。

そもそも借地権とは何?

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借地権とは、他人の土地を借りて、その土地に自分の建物を建てて利用することが出来る権利です。地主さんとの間に土地賃貸借契約を結び、地代を払うことによって土地を使用できることになります。(建物を所有する目的のみに発生する権利なので、駐車場や資材置き場などは該当しません)建物を改築したり立て直したり、また売却する際には、地主さんの許可が必要です。

借地権において、以前は借地人が強い力を持っており、一度貸した土地は帰ってこないなど、地主さんは弱い立場にありました。しかし、平成4年制定の新しい法律、借地借家法において期間が過ぎれば必ず契約が終了する定期借地権が新設されるなど、地主さんが安心して土地を貸せるようになりました。

借地権に対して、地主さんの権利を底地権をいいます。土地に借地権と底地権の二種類の権利が設定されることになりますので、土地の価格を決める際にそれぞれの金額を出す必要が出てきます。この時に登場するのが借地権割合です。

借地権割合-借地権の評価額を知る-

借地権を相続した、または売却を考えているという場合においては、借地権の評価額を知る必要が出てきます。この価格を算出する際に用いられるのが借地権割合です。本来であれば地主さんと借り手の間において借地権の割合について決めごとがあるのですが、実際にはそれがあるとは限りません。

借地権割合は地域ごとに割合が決められており、例えば住宅地なら60~70%、都心の商業地などでは80~90%という場合が多いでしょう。

この時、評価される土地は自用地、つまり更地としての価格に借地権割合を用いて計算することになります。

→借地権を相続する際に理解しておくべきポイント

借地権割合を用いて計算してみよう

では実際に借地権の評価額を計算してみましょう。まずはその土地が路線価で評価されている地域(路線価地域)なのか、固定資産税評価額で評価されている地域(倍率地域)なのかを調べます。国税庁のホームページにて毎年7月に公開されていますので、確認してみましょう。

それぞれの表には借地権割合も載っていますので土地の評価額に借地権割合を乗じることになります。例を挙げてみます。例1、路線価地域路線価格50万/平方メートル、地積100平方メートル、借地権割合60%の場合

50万×100×0.6₌3,000万円例2、倍率地域固定資産税評価額2,000万、倍率1.1(宅地)、借地権割合50%の場合

2,000万×1.1×0.5₌1,100万という計算になります。

注意!売買時は借地権割合を利用しない?

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借地権の価格を決める際、借地権割合を用いて算出しますが、注意しなければならないのは、借地権割合とは相続税の課税に用いられるものであって、実際の売買金額とは違ってくることです。

例えでよく言われるように、底地権がソーサー、借地権がコーヒーカップだとして、別々に売ろうとしても買いたいという人は少ないでしょう。揃っていてこそ本来の値段を設定することが出来るのであって、借地権、底地権それぞれ単独では相場より低い価格になってしまいます。

借地権を単独で売ろうとする際には、買い手が、今後地主さんに対して地代や契約更新料の負担、建て替え時には了承を得ることや承諾料の支払いが必要になるなど、煩わしいことが多く、このことも借地権がかなり安い価格となる原因にもなっています。

そして底地権を売りたいと思っても、借地権を持つ人が契約を解除しない限り、契約は継続していくことになります。この土地を購入したとしても建物を建てて利用することもできないので、価格は当然かなり低くなるというように、借地権割合を用いて計算した評価額が売買時の価格であるとは言えないのです。

もちろん双方の合意があればこの限りではありません。

→借地権割合って一体何?

借地権割合と相続

借地権を相続した時に、どうして自分の土地でもないのに相続税を払わないといけないのだろうと疑問に思うかもしれません。借地権自体が他人の土地を借りて建物を所有しているという、土地を利用出来る権利であり財産です。

相続人においてその認識がなかったとしても、借地の契約は継続し、相続財産として相続され遺産分割の協議の対象になります。これは相続によって受け継ぐ権利義務なので、地主さんの承諾を得る必要はありません。相続したからと言って、地主さんがそれを理由に建物を取り壊し、立ち退きするよう言ってきたとしても拒否することが出来るのです。

そして借地権割合を用いて評価額を算出したとしても、土地というものは一つ一つが違っていて、土地の利用方法や利便性の関係により、別の評価方法を用いる必要がある場合もあります。原則としての評価は出来ますが、評価方法が複数ある場合もあり、これによって評価額が変わり、相続においては相続税に直結してくることになります。

先程書いたように、借地権を売却しようとしても相場よりかなり低いので、高い相続税を払うために借地権を売っても支払いをすれば手元に何も残らない可能性もあり、注意が必要です。

地主さんと借地権-トラブルを防ぐために-

路線価や借地権割合などがインターネットで思ったより簡単に調べられることが分かりました。しかし借地権をめぐるトラブルは多く、地主さんにしてみれば、自分の土地でありながら期限が切れるまで出て行ってもらうことも出来ず、好きなように使用することも出来ないことから、不公平感を持つことも多いのです。

借り手にしてみれば自分の建物なのに、増改築をする際には地主さんの許可が必要であったり、名義人変更にも承諾料を支払うことになります。長年のお付き合いが良好であればいいのですが、更新の際に揉めるなどすれば、後々の生活にも関わってくることでしょう。

借地権割合は国が決定し、公表していることではありますが、人間同士のやり取りは行政の決まり事で全て解決できるわけではありません。もしトラブルが起きた場合には、弁護士や不動産業者など第三者に間に入ってもらうことも検討してみましょう。